マイナスの質量と不安定な宇宙を妄想する

こんにちは。

これ結構面白いですね。

 

自由落下を考えると結構簡単で、運動方程式のF=maと重力の大きさF=mgを組み合わせると、ma=mgでm≠0であればmが消えてmの符号にかかわらず加速度は常にgということで正の質量を持つものと同じように下向きに自由落下します。

なんとなく不思議ですが、いわゆる重力質量と完成質量がイコールだからこんな現象が起きるわけです。言ってる意味が良くわからないかもしれませんが、重力による現象ではなく静電気による現象を見ると(余計にわかりにくくなるかもしれません)…

最初のF=maに関しては同じ法則が成り立ちます。そして重力の現象のF=mgに対応する静電気の関係式がF=qE(qは電荷でEは電場)です。このときma=qEとすればqの符号が反転してもmの符号は正のままですから加速度の方向は反転します。このときのmと対応するのが慣性質量=動きにくさで、qに対応するmが重力質量=重力の元っていう感じですね。重力の現象の場合、慣性質量と重力質量がいつもイコールになるのでこんなヘンテコなことになるわけです。

そして不思議なことに、この物体に働く力は上向きです。上向きの力を受けて下向きに加速度運動するわけです。なんだかヘンテコですが。

んじゃ、この物体が落ちてきて地面に触れたらどうなるでしょう。リンク先でも触れられていますが。

まず負の質量を持った物体が地面に静止していることを考えてみます。静止していると仮定するとこの物体にかかる力の合計はゼロになっているはずですね。まず重力がかかっています。高校の物理の問題を解くときならひとまず下向きと仮定して矢印をかいて、そしてこの力の大きさをF=maとかきますね。ただし今回mは負の値ですから重力が指し示すベクトルは本当は上向きです。それ以外にこの物体にかかる力は垂直抗力ですね。地面との接点で働きます。通常は上向きに働くのですが、重力と相殺してゼロにならなきゃいけないので実は下向きである必要があります。

…ってそんなことありえないですね。地面は上向きに押すことしかできません。ということは重力も地面からの垂直抗力も上向きになるのでつりあいになりません。物体は下向きに加速度運動し続けますから地面にめり込むといいますか物体が壊れそうですね。

それから正の質量と負の質量の物体が宇宙空間で少し距離を置いて静止させると、負の質量は正の質量にひっぱられますが、正の質量は負の質量から逃げるように力が働きます。つまり、どんどん加速していくのですね。質量が負の物体は速度が大きくなると運動エネルギーが小さくなります。これもなんだか不思議。正と負の質量が混在する宇宙ってのは安定的ではなさそうです。

思考実験として負の質量の物体だけが存在する宇宙があるとします。なんとなくその宇宙は正の質量の物体だけでできた我々の宇宙と同じように振る舞いそうな予感がしますが、負の物体同士には斥力が働きます。要は反発するわけですね。だからこちらも安定的な宇宙ではありえないですね。

ってなことを考えつつ、なんとなく不思議な気分になったのでした。