こんにちは。
今日読んだ本です。
著者がマンガの中に見つけた哲学的な面白さや不思議さを紹介していきます。
この人の興味の中心は「自分とは何か?」なのですね。その思考実験として「自分のコピー」が登場する世界を仮定してそこで生じる問題やら現象やらをみるわけですが、いろんなマンガの中でその例が沢山でてくるのです。
本書の中で紹介されていたわけではないですが、わかりやすいので言えばウェブマンガでこんなのがありましたよ、と
macchiro
まぁ、これは単純な例ですが、コピーの生成過程が色々あったり時間を交えたりして、その自分という存在の不思議さを考えていきます。その他のテーマもちょこちょこあるのですが、たぶん著者自身の興味の矛先がそちら向きなのでそちら方面が充実している気がします。あと、僕自身の興味の矛先もそちらに向いているからそのように読み取ってしまう可能性もあるでしょう、はい。
こういう小難しい話をするときに難しいのが「問題意識の共有」だと思うのです。つまり「自分って何?」と単純に人に聞いても受け取り方はそれぞれになってしまう。だけれど、マンガという表現方法を借りる事で、最も難しい問題意識の共有のハードルを越えられるというところに面白さがありますね。
それはともかく、この著者はむちゃくちゃマンガ読んでる気がします。藤子・F・不二雄のミノタウロスの皿とか自分会議とか、手塚治虫のブラック・ジャックとか火の鳥とか、梅津和夫の漂流教室とかはまぁそうかなって感じだけど、伝染るんですとかカイジとか究極超人あ~るとか鉄筋コンクリートとか、大学の哲学の先生が読むんかみたいなのが結構出てきます。
てなかんじで、ご無沙汰の更新でした。